復活冨田トップ通過で北京
体操ニッポン2大会連続の金メダルは任せた! エース冨田洋之(27=セントラルスポーツ)が合計274・400点でトップ通過を果たした。抜群の安定感で首位をキープ。アテネ五輪代表6人中4人が落選した中で、昨年末の不調から見事に復活を果たした。
エースはやはり、この男だ。最終種目鉄棒の着地でわずかによろめいたが、冨田は胸を張り、右手を挙げて声援に応えた。「ホッとした」。トップで五輪代表を決め、ポーカーフェースのほおがわずかに緩んだ。
世界屈指のオールラウンダーにふさわしい演技だった。6種目中5種目で15点台をマーク。唯一14点台のあん馬も種目別3位の得点を挙げた。それでも表彰を終えると「もっと精度を上げていかないと」と反省を忘れなかった。
喜怒哀楽をほとんど顔に出さない男にも、苦難はあった。アテネ五輪で団体総合金メダル、翌05年の世界選手権で個人総合金メダルと頂点を極めた後は、相次ぐ故障に悩まされた。持病の腰痛に加え、昨年末には両肩を痛めた。同12月の豊田国際では得意の鉄棒で落下。ショックで会見を拒否した。周囲には「今のままでは代表になれない」と弱音も漏らしていた。
それでも大一番には調子を合わせてきた。もう1人のエース候補として期待された水鳥や内村が本調子を欠く中、冨田は万全だった。床運動と跳馬では本番を見据えた新しい演技構成にも挑戦。「攻める気持ちでいった。五輪まで試合がないので試しておきたかったけど、何とか成功した」。両種目とも着地がやや乱れたが、修正点をつかんだ。
具志堅強化本部長も「経験も含めて柱になれる存在」と全幅の信頼を置く。アテネに続く団体総合連覇へ、軸として期待される。本人も「年も(メンバーで)1番上になる。同い年の鹿島と2人で引っ張っていく」と自覚を示した。
ライバル中国の待つ北京には、忘れられない思い出がある。01年ユニバーシアードの平行棒を制して表彰台に上がると、地元の観衆からブーイングを浴びせられた。「最初で最後の経験」と戸惑う一方で、背中には“快感”が走ったという。「嫌な存在として認められた」。あの感触をまた味わうためにも、敵地で日本を再び世界一に導く。
ttp://beijing2008.nikkansports.com/gymnastics/p-sp-tp0-20080507-356849.html
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